Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩野 正宏 中央大学, 理工学部, 教授 (70087013)
西岡 國雄 東京都立大学, 理学部, 助教授 (60101078)
倉田 和浩 東京都立大学, 理学部, 助教授 (10186489)
酒井 良 東京都立大学, 理学部, 教授 (70016129)
望月 清 東京都立大学, 理学部, 教授 (80026773)
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Research Abstract |
Hamilton-Jacobi方程式について,特異摂動問題の研究を行った.各地の専門研究者との研究打ち合わせを行い,また関連ある研究会等に参加しながら研究を進めた.また,摂動試験関数法の考案者であるL.C.Evans教授を8月に招聘し,本研究による成果の評価,研究方針の検討,最新結果の供与等の寄与を得た.さらに,石井が12月に米国,Berkeleyを訪問し,本研究による成果を公表し,Evans教授,M.G.Crandall教授と本研究について,評価,検討する機会を得た. Hamilton-Jacobi方程式に対する特異摂動問題を均質化理論の観点から研究した.特に,Hamilton-Jacobi方程式を考える領域がパラメータに依存する場合の研究に重点を置いて行った.本研究においてはこの問題に対して,粘性解の方法,特にEvansによる摂動試験関数法を改良し適用し,研究を進めた.周期的均質化を考察したが,本研究による一つの成果は微分方程式を考える領域に対する条件の確立である.それは,この周期的領域をトーラスに上に標準射影で射影した時に連結になるというものである.これまでの多くの研究では領域の連結性を仮定していたが,これはより広いクラスの領域を均質化理論で扱えるというものである.どのような境界条件が取り扱えるかという問題は基本的であるが,一つには非線形Neumann型の境界条件,もう一つとしてDirichiet型の境界条件の場合にeffective Hamiltonianを決定し,さらに均質化における(粘性)解の収束を一様収束の位相で証明した.これが主なる成果である.この他,関連してHamilton-Jacobi方程式に対する初期値問題の解に対する新しい比較定理の証明に成功した.また,曲面の時間発展の数学的定式化の一つである等高面法の可能性を知る上で重要な知見として,等高面法で記述され得る曲面の時間発展の特徴付けの研究を行い,この特徴付けに成功した.
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