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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
核スピンを偏極させた場合,スピンが1/2あるいは3/2の場合γ線の異方性が全くないか非常に小さくγ線検出NMR-ONの方法では磁気モーメントの測定はは出来なかった.またβ崩壊がほとんどでγ線が検出できにくい場合もγ線の検出によるNMR-ON出来なかった.この研究の目的はNMR-ONの共鳴観測をβ線の検出で行い,此れ迄測定できなかった磁気モーメントや内部磁場の決定を行うことである. この研究費で購入した厚さ0.75mm直径8mφのSi検出器を新潟大学の3He/4He希釈冷凍機の内部に取付けた.分解能は50keV程であった. 東大の原子核研究所のSFサイクロトロンを用いて89ZrFe,90NbFe,82BrNiを製作した.また日本原子力研究所の原子炉JRR-3を利用して191OsFeを製作した.こらの放射性試料はβ崩壊が99%以上でγ線の観測ではNMR-ONの実験は困難である.これらの試料を3He/4He希釈冷凍機で約8mKに冷却してβ線検出によるNMR-ONの実験を行った.その結果共鳴線の観測に成功した.結果は次のとおりである. 89ZrFe:共鳴周波数は外部磁場0.2Tで51.18(4)MHz,これまで知られている内部磁場-28.1(4)Tを用いて磁気モーメントを-1.08(2)μ_Nと決定した.89mYのアイソマ-の磁気モーメントの符号を正と決定した. 90NbFe:この原子核はγ線によるNMR-ON実験が既に行われてあるが,符号は決定されてなかった.β線検出による共鳴線観測によりその符号は正であると決定した. 191OsFe:共鳴周波数は外部磁場0.2Tで180.3(1)MHzで観測し,磁気モーメントを+0.962(28)μ_Nと決定した. 82BrNi:共鳴周波数は外部磁場0.2Tで18.71(10)MHz,既知のモーメントより内部磁場を7.34(4)Tと決定した.
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