クォーク・グルオンプラズマにおけるカイラル相転移の動的過程
Project/Area Number |
08640396
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
素粒子・核・宇宙線
|
Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
國廣 悌二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20153314)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 相転移の動的過程 / くりこみ群 / 包絡線 / 漸近解析 |
Research Abstract |
本研究では、原子核を舞台にした高温・高密度でのQCDのカイラル相転移の動的過程について研究することが目的である。そもそも、QCDの真空は温度、密度あるいは磁場などの外場の大きさで特徴付けられる環境の変化に伴いその性質を変え、遂には、非閉じ込めが起こり且つカイラル対称性の回復した相に相転移すると考えられている。 原子核で高温、高密度を作る一つの方法に高エネルギー重イオン衝突がある。高温、高密度でカイラル対称性が回復したとして、問題はそれを実験的にどう検証するかである。重イオン衝突は非平衡過程である。したがって、その問題は優れて動的な臨界現象の問題となる。臨界現象の記述には、繰り込み群の方法が有効であることが知られている。そこで、本研究では、まず、繰り込み群法の基礎論の研究を行なった。そして、繰り込み群方程式が包絡線(面)方程式になることを示し、その大域解析および漸近解析上での位置付けを明らかにした。また、非平衡の動的な過程を現象論的に記述する理論的模型としての時間依存ギンズブルグ-ランダウ方程式が、そのような条件で導き出せるかを、(繰り込み群法の基礎としての)包絡面理論に基づき明らかにした。(Jpn.J.Ind.Appl.Math.14(1997)51.)これは、繰り込み点が複数あるような場合の繰り込み群方程式の基礎付けになっていることに注意する。更に、多成分からなる場、すなわち、ベクトル場で記述される場合の繰り込み群法についても、包絡軌道(envelope trajectories)という概念を導入して定式化した。( Prog.Theor.Phys.97(1997)179.) さらに、この包絡線(面)理論に基づく方法を量子力学の問題にも適用し、この方法が広い有効性を持つことを示した。これは、Phys.Rev.Lett.に投稿中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)