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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
本科学研究費の補助のもとで,我々は2個のS=1/2スピンと2個のS=1スピンが交互に並んでいる1次元量子スピン系の基底状態及び有限温度の性質を,数値的方法及び解析的方法を用いて研究した。各最近接スピン間に等方的な交換相互作用を仮定し、S=1/2スピン間,S=1/2スピンとS=1スピン間,S=1スピン間の交換相互作用定数を,それぞれ,J_1,J_2,J_3(正の場合反強磁性的,負の場合強磁性的)とする。 まず,Wigner-Eckartの定理を用いることにより,J_2≫J_1,J_3のなどの極限で,考えている系が十分低温において既に良く調べられている1種類のスピンからなる1次元量子スピン系に同等となることを示した。次に,J_1=J_3=1.0,J=_2≡J>0の場合について,量子モンテカルロ法や有限系の厳密対角化法を用いて,基底状態及び有限温度の性質を詳細に調べた。得られた主な結果は次の通りである。 1)1重項-3重項エネルギーギャップのJ依存性の計算結果から,J=J_c〜0.77にmassless pointが存在し,その点で系の基底状態はエネルギーギャップの消失を伴った2次の相転移を起こすことが分かる。 2)Jの値が十分大きい(例えば,J=5.0)とき,比熱対温度曲線に2つのピークが現れる。高温側のピークは,S=1/2スピンとS=1スピンとからなる2-スピン系がもつSchottky-typeのピークに関連しており,低温側のピークは,低温で有効スピンの大きさが1/2である上記の2-スピン系がボンド交代のある1次元鎖を形成していることから生じるピークであると考えることができる。 3)J=0.77に対する帯磁率の温度依存性の計算結果は,低温の極限で帯磁率が有限な値をとることを示唆している。この結果は,1)で述べたJ=0.77でエネルギーギャップが消失するという結果とコンシステントである。
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