Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Research Abstract |
OPアンプを用いて負性抵抗と等価な回路を作り、これを使ってvan der Pol方程式と同形の自励振動を行う振動回路を作成し、これを1つの振動子とした。2個、4個、9個の振動子を次々と結合させ、結合電子回路網を構築した。ここでは9個の結合系についてのみ、実験結果を述べることにする。結合の仕方として1次元系と2次元系の2つの場合について行った。両者の結果に関して、定性的な違いは見られなかった。単体の振動子では1つの振動状態しか起こらないものが、結合数を多くすると異なる振動波形をもつ状態が数多く出現する。ここでそれらをA,B,C,D・・・と書くことにする。これらは、振動子の位置によってさまざまな状態をとる。同じ測定条件であっても、微小な初期条件の違いにより、最終的に出現するパターンが数多く存在する。例えば、ある1つの条件に対して1番から9番までの振動子の状態を上に示したA,B,C,D,・・・を用いて表すと、CAAACAAACであったり、CBABABABCやCADAAADAC・・・等のパターンが得られる。この様子はガラス状態に対応するものであって、多様な空間構造は空間間欠性や時空カオスと深く関係していることを示している。今回の実験では、最終パターンへの緩和過程まで調べることができなかったが、緩和時間の分布や過渡的状態を調べることが今後の課題として重要である。今回はまた、van der Pol型結合回路網の他に、PLL-ICの結合系についても実験を行った。これは単体でもカオスを発生する回路であり、今回は2結合系のみの実験を行うまでにしか至らなかったが、オンオフ間欠性カオスに似た現象が見つかり、今後はこれらの回路網を作って実験を行いたい。
|