Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Research Abstract |
内陸地震研究グループは平成8年7月〜9月にかけて飛騨地方で合同観測を行った.この観測期間中に,1984年長野県西部地震の震源域の西側で,発震機構を高精度に求めることを目的とした120点によるアレー地震観測を実施した.現在,このデータを用いた応力テンソルインバージョンを行いつつある. 秋田・宮城県境で,M5.9の地震が8月11日に発生し,その後,多数の余震が起こった.我々は,イヴェントレコーダ40台による臨時地震観測を実施し,多数の地震の震源位置と発震機構解を高精度に求めた.本震は,栗駒火山の南西約10kmで発生し,鬼首カルデラの北端で震源域の拡大を停止した.余震域はこのカルデラに沿って時間的に南側に拡大し,本震発生3日後に,山形県側でM5.3の地震が発生した.多数の地震波形を波線の幾何学的分布に従い表示したところ,本震発生域の北側には,直径13kmの異常減衰域が存在しており,今回の地震は,北側の減衰域の南端から鬼首カルデラの北端の領域が震源域となっているとの結果を得た. 本震の震源域周辺で発生している地震には,震源位置の僅かな違いで,P波初動の押し引き分布が逆転している地震が発生していることが示された.空間的に狭い範囲で応力が逆転していると考えることは難しいことから,この結果は,いろいろな向きの弱面が存在しており,比較的弱い応力が加わったことにより,弱面が滑っている,すなわち,デコルマ型の地震が発生していることを示しているものと思われる. この地域の両端に異常減衰域が存在していることから,この地域では,応力集中が起こっているものと思われる.応力テンソルインバージョンを行ったところ,最大応力軸は水平で,西北西-東南東方向であった.全データの読み取り終了後,応力の空間分布を推定する予定である.
|