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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
研究内容は大別して次の2つのカテゴリーに分けられる。その1つは負熱イオン化質量分析法(NTIMS)によって,微小量のReとOsを高精度で測定する方法を開発すること,もう1つは,ReとOsを乾式法で効率的に前濃縮する方法を開発することである。 ReとOsのNITMSでは硝酸バリウムを活性剤に用いて,ReO_4^-とOsO_3^-を安定にかつ高い効率で生成する条件を検討し,Reは10ピコグラム程度以上,Osは10ナノゲラム程度以上あれば,高精度で測定可能となった。(100ナノグラムのOsを用いた場合同位体比の測定誤差は,0.004%である。)また,Gibeon隕鉄の酸不溶成分中の_<184>Osは普通のOsと異なり,相対的に10%も高いことを発見した。一方,酸素同位体^<17>Oと^<18>Oによる同重体効果に対する面倒な補正計算の必要を除くため,99.99%に濃縮した^<16>Oと酸素ガスを導入することを試み,目的を達成した。この成功は,酸素原子を含む負イオンのNTIMS及び正イオンのPTIMSの双方に対して極めて大きな寄与をもたらす。この方法はこの分野で広く世界的に採用されるであろう。ReO_4^-の生成に伴う酸素の同位体の間の分別についてのデータも解析し,新しい効果を見つけた。 硫化ニッケルによる乾式前濃縮の研究では,白金族元素全体を選択的に濃縮する条件を検討し,従来の50分の1程度の硫化ニッケルで十分濃縮出来た。このNisの小球中での白金族元素の分布をレーザー・アブレーション質量分析で測定し,分布の均一性を確認出来た。これら成果は,融解のためのるつぼのデザイン,融解の化学組成,及び融解温度条件の検討によって達成された。
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