Project/Area Number |
08640622
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
地球化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
濱 健夫 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (30156385)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 海洋物質循環 / 懸濁態有機物 / 溶存態有機物 / デトリタス / 沈降粒子 / 移出比 / 安定性 |
Research Abstract |
海洋有光層に存在する非生物有機物の、海洋物質循環に対する役割を知るため、生物有機物と非生物有機物との組成面での違い、およびその安定性の違いを明らかにすることを目的とした。このため、相模湾の測点において海洋有光層で植物プランクトンにより生成される有機物を、^<13>Cをトレーサーとして明らかにするとともに、有光層から有光層以深へ輸送される有機物を、セジメントトラップを用いて採取した沈降粒子について測定した。 各有機物の生産量と沈降量とを比較することにより、有機物の移出比(生産量に対する沈降量の比)を見積もった。有機物の移出比には、有機物により大きな差が認められた。特に、脂質を構成する脂肪酸は、種類により50倍近い開きがあり、移出比が1を越える有機分子を存在した。この1以上の値は、海洋有光層において、有機物粒子の一部が非生物的に生成されている可能性を示唆するものであった。また、このような有機物は、生物学的にも安定であることが示された。 非生物画分に含まれる有機物は、生物に起源をおく有機物比べ、安定である事が予想されたため、食物連鎖、溶存酸素の消費などの物質循環への関わりは少ないものと考えられる。しかし、その安定性ゆえに、有機物の鉛直輸送あるいは水平輸送などにはたす役割は大きいものと推定できる。
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