鎖状分子の固化に伴う温度履歴とコンホメーション多形との相関の研究
Project/Area Number |
08640650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
福原 幸一 広島大学, 理学部, 助手 (90208976)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ブロックオリゴマー / コンホメーション多形 / 温度履歴 |
Research Abstract |
フレキシブルな鎖状ブロック化合物は,ブロック鎖長や固化過程における温度履歴などにより,固体状態において多様なコンホメーションをとることが多い.本研究ではアルキル-オキシエチレン-アルキル系トリブロックオリゴマー(C_nE_mC_n)同族体について,種々の結晶化条件によって得られる分子形態を赤外・ラマン分光法を用いて解析し,分子コンホメーションの鎖長依存性および温度履歴との関係を調べた.また,示差走査熱量分析(DSC)により固相転移のエンタルピー差とコンホメーション転移との相関を調べた. 固体状態の赤外・ラマンスペクトルは融点〜液体窒素温度で測定した.アルキル鎖長が長くオキシエチレン鎖が短い同族体では分子全体が完全に伸びた伸延コンホメーションが優勢であることがわかった.外力を加えない非ホスト・ゲスト系においてオキシエチレンユニット数m=6におよぶ平面ジグザグ変態が見出されたのは今回が始めてである.それに対し,短いアルキル鎖長および長いオキチエチレン鎖長の同族体では基本的にはアルキル部分は平面ジグザグ,オキシエチレン部分はヘリックスのトリブロックコンホメーションであるが,鎖長や温度履歴の違いにより多様なコンホメーション状態をとることが明らかになった.DSCによると,伸延コンホメーションをとる同族体では温度履歴によらず1個の吸熱ピークを示して融解するが,トリブロックコンホメーションをとる同族体では複数の吸熱ピークを示し,複雑な相挙動を示す.エンタルピー測定により,高温側の吸熱ピークは中央ヘリカルオキシエチレンブロックの融解に対応することがわかった.いっぽう低温側の吸熱は鎖長・温度履歴依存性が大きい.アルキル鎖の炭素数n=6の同族体では低温側の吸熱量はアルキル鎖の結晶相と無定形相間の転移に対応することがわかった.これは振動スペクトルの解析結果と一致した.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)