固体高分解能NMR分光法による人工生体膜中ペプチドの精密立体構造解析
Project/Area Number |
08640652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
内藤 晶 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (80172245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 暁 姫路工業大学, 理学部, 助手 (60227387)
斉藤 肇 姫路工業大学, 理学部, 教授 (30100150)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 固体高分解能NMR / REDOR / 原子間距離 / 立体構造 / オピオイドペプチド / エンケファリン / ダイノルフィン / 生体膜 |
Research Abstract |
本研究では原子間距離を精密に測定する回転エコー二重共鳴法(REDOR)の手法を用いて、固体状態および生体膜中でのペプチドの立体構造を精密に決定する方法論の確立と応用を目的として研究を行った。 1.立体構造を決定する対象として鎮痛作用のある5量体オピオイドペプチドであるLeu-エンケファリンを選んだ。まず、隣り合うペプチド面に位置するアミド窒素とカルボニル炭素をそれぞれ安定同位体^<15>Nと^<13>Cで二重標識したペプチドを6種類化学合成し、さらに結晶化した。次に、合成した各ペプチドの二重標識位置の原子間距離を精密に測定し二面体角情報に変換した。その結果から、Leu-エンケファリンについては、N末端とC末端付近はextended構造であり、分子の中心付近で折れ曲がった構造をとっていることが判明した。この構造はこれまでにX線回折の研究から得られている構造と違った構造であることが分かった。 2.エンケファリンと同様にオピオイドペプチドであるが、その活性がエンケファリンの100倍も強いダイノルフィンをリン脂質二重膜に取り込み、膜中での立体構造を、ペプチドに標識した^<13>Cの化学シフト値から決定した。その結果、生体膜中でダイノルフィンは少なくともC末端から12番目のLeuまでのα-ヘリックス構造をとっていることが判明した。さらに、^<31>P NMRを測定した結果、ダイノルフィン分子は生体膜の相転移点付近で生体膜を可逆的に細分化したり、融合する性質のあることが判明した。さらに精密な立体構造を決定するため、二重標識ダイノルフィンを化学合成し、REDOR法を適用して、膜中の立体構造を決定する計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)