Project/Area Number |
08640675
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩澤 伸治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40168563)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | Fischer型カルベン錯体 / プロパルギル金属 / フラン / ピロール |
Research Abstract |
本研究では、二種の異なる有機金属試剤の複合化により、炭素炭素結合生成を伴いつつ新しい有機金属反応活性種を創り出し、さらにこれを第二の炭素炭素結合生成反応に用いることにより、一挙に複数の炭素炭素結合生成を行い有用な合成中間体を効率よく合成することを目的に研究を行った。具体的にはFischer型カルベン錯体と有機リチウム試剤との反応に焦点をしぼり、二種の有機金属試剤の複合化による、新しい反応活性種の生成とその反応に関し検討を行った。その結果、求核剤としてアルキニルリチウムを用いると、従来付加反応を行った例のないα-位に水素原子を持つアルキル基をカルベン炭素上に持つFischer型カルベン錯体に対しても付加反応が進行し、反応停止することによりα、β-不飽和ケトンが得られることを見い出した。この反応はカルベン錯体に対しアルキニルリチウムが1、2-付加することにより、6族金属のプロパルギル型の有機金属活性種が生成し、これが6族金属のγ位でプロトン化され不飽和ケトンが生成したものと考えられる。このことは、この付加中間体に適当な求電子試剤を作用させれば、さらに炭素炭素結合生成反応を行える可能性を示しているものと考えられる。 そこで上述の反応においてアルキニルリチウムを付加させることにより生成するプロパルギル金属種と様々の求電子試剤との反応を検討したところ、求電子試剤としてアルデヒドやイミンを用いた場合に反応が進行し、三置換フランやピロール誘導体が収率よく得られることを見出した。この反応により、フランやピロール環上の3つの置換基がそれぞれカルベン錯体、アルキン、アルデヒドあるいはイミンのそれぞれの置換基から由来する、様々な置換基を持つ生成物を得ることができる。
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