Project/Area Number |
08640690
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
市川 淳士 九州工業大学, 工学部, 助教授 (70184611)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / カルボカチオン / 分子内環化 / 位置選択性 / 活性化 / Nazarov環化 / Friede1-Crafts環化 / 縮環化合物 |
Research Abstract |
カチオン環化反応において、フッ素のβ-カチオン不安定化効果及びα-カチオン安定化効果により中間体のカルボカチオン生成時に活性化と位置制御を行い、F^-としての脱離能も併せて利用し、シクロアルケンの選択的構築を目指した。さらに、これらを組み合わせるTandem環化により多環式縮環骨格の構築を試みた。1.含フッ素カルボカチオンを分子内で効率よく捕捉するため、アルケニル基やアリール基を適切に配した含フッ素ビニル=ケトンを基質として選び、安価なトリフルオロエタノール誘導体から調製したジフルオロビニル金属と酸塩化物のカップリングにより、その合成を行った。この過程で、ジルコノセンを用いるジフルオロビニル化合物の新規合成法を開発した。2.得られた含フッ素ジビニル=ケトンに対しTMSOTfを作用させたところ、Nazarov環化後のアリルカチオンにおいて、フッ素の電子的効果により陽電荷の分布を規制し、同時にF^-の脱離で二重結合の位置を制御した。こうして、メチレノマイシンの骨格をはじめ各種含フッ素シクロペンテノンの位置選択的合成に成功した。また、フッ素を含まない基質の環化も行い、カチオン環化おける活性化と位置制御に対するフッ素置換基の有効性を明らかにした。3.上と同様に、含フッ素ビニル=ケトンの分子内Friede1-Crafts反応及びEne反応による環化とF^-の脱離を組み合わせ、シクロヘキセン環の選択的構築を達成した。4.得られたFriede1-Crafts環化生成物について、環上に残るビニル位フッ素を再利用した。Friede1-Crafts環化に加え、既に申請者が確立した含窒素複素環の合成法あるいは上述のNazarov環化を連続して行うことにより、ステロイドに見られる6/6/6/5の多環式縮環骨格やピラゾール環あるいはピリミジン環を含む縮環骨格の効率的な構築に成功した。
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