Project/Area Number |
08640697
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 隆司 東京工業大学, 理学部, 助手 (70212222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓介 東京工業大学, 理学部, 教授 (90162940)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 遠隔不斉誘起 / アリルジルコニウム / ビニルジルコニウム / メタロクライゼン転位反応 |
Research Abstract |
ある不斉点から隔たる位置に不斉を誘起する遠隔不斉誘起は、鎖状立体制御法の急速な進展にもかかわらず、未だチャレンジングな課題として、さまざまな試みが行われている状況にある。本研究では、アレンのヒドロジルコニウム化により発生するアリルジルコニウムと、やはりヒドロジルコニウム化によりアルキンより発生できるビニルジルコニウムを用いるone-potでのメタロクライゼン転位反応を基盤とし、新しい遠隔不斉誘起法の開発を試みた。 光学活性な4-メチル-1,2-ベンタジエン-5-オールをモデルとし、その水酸基をさまざまな保護基で保護した化合物を合成して、それらのヒドロジルコニウム化により発生させたアリルジルコニウムのメタロクライゼン転位反応を試た。その結果、二塩化亜鉛の存在下で種々のビニルジルコニウムに対して、速やかにメタロクライゼン転位型のカップリング反応が進行し、アリルジルコニウムのα位、ビニルジルコニウムのβ位で炭素-炭素結合を形成した生成物を選択的に高収率で得ることができた。この際、上述の保護基として金属イオンに対する配位性の高いメトキシメチル基などを用いると、高度な1,5-不斉誘起が起こることが明らかになった。ジアステレオマ-生成比はカップリングするビニルジルコニウムひいてはルキンの構造に依存し変化するものの、試た限りでは6:1から28:1と1,5-不斉誘起としては異例に高い選択性が実現できる。また、この選択性と生成する二重結合の幾何異性体比には相関性があり、生成する二重結合のZ体選択性が高い程、遠隔不斉誘起の選択性も高い。このことは反応の詳細なメカニズム、立体経路を明らかにしていく上で興味深い知見である。
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