Project/Area Number |
08640724
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Inorganic chemistry
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
千喜良 誠 中央大学, 理工学部, 教授 (70006328)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 不安定原子価金属錯体 / ニトロシル鉄(II)錯体 / ブレオマイシン / 水溶性ポルフィリン / DNA-ファイバー / ESR / EPR |
Research Abstract |
本年は空気中で不安定な鉄(II)ニトロシル錯体を含むDNAファイバーを完全に嫌気的な雰囲気で調整する技術を確立した。これにより,種々のカチオン水溶性ポルフィリンや制癌剤として知られているブレオマイシンのニトロシル化された鉄(II)錯体とDNAとの結合構造をDNAファイバーESR法によって詳しく解析することが出来た。常温におけるB型DNA上ではポルフィリン錯体は5配位型に典型的なESR線形を示し,N-O結合軸がほぼDNAらせん軸に垂直に配向しているが,低温ではニトロシルミオグロビンで観測されたようなESR線形の変化が観測され,第6配位座の配位子場の変化と共にNOの配向性も変化する。一方,ブレオマイシン錯体は常温のB型DNA上でも6配位型に典型的なg値のESR線形を示すが,第6配位座にあると見られるN原子の超超微細構造分裂が観測されないことから,NOのポルフィリン面上の配向はニトロシル化されたヘムタンパク質とは異なっていると推定された。さらにブレオマイシン錯体では低温でのESR線形は常温と比べてあまり変化せず,ポルフィリン錯体の場合と異なり,NOは常温でより強く固定されていることが明らかになった。DNAと結合したニトロシル鉄(II)ブレオマイシン錯体のESRスペクトルの異方性が常温で観測された例はこれまでになく,これらの結果はブレオマイシンのDNA切断の反応機構に関して重要な知見を与えた。以上の成果は日本化学会第72春季年会および第8回生物無機化学国際会議(ICBIC8)で発表された。
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Report
(1 results)
Research Products
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