クラスター分子融合による伝導性分子集合体の合成と物性に関する研究
Project/Area Number |
08640747
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
機能・物性・材料
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
森山 広思 東邦大学, 理学部, 助教授 (10126188)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | クラスター / C_<60> / フラ-ライド / 伝導性 / アルカリ金属 / 遷移金属 / NMR / ESR |
Research Abstract |
炭素クラスターをpπ電子プールと位置づけ、種々の金属クラスターのd軌道との相互作用(共有結合、電荷移動、ファンデアワールス)により、新たなd-pπ混成バンド構造を有する分子集合体系を構築し、伝導性機能を付与した機能性固体物質を創製および制御を試み、得られた新規分子集合体系に関して、伝導性などの物性測定を行い、さらに結晶構造解析や固体NMRを用いて構造と物性との相関を解明することが本研究の目的である。まず初めに、アルカリ金属のC_<60>付加フラ-ライド化合物M_xC_<60>(THF)_y単結晶を液相から育成する方法を見いだし、いくつかのフラ-ライド塩の物性を検討した。M=Naでは室温で50Scm^<-1>に上る高い電気伝導性をもち、170K近傍に金属-金属転移を示すが、この転移はこの温度付近での格子定数の温度変化に現れる不連続ギャップと対応することがわかった。また、M=Liでも、室温から150K付近まではM=Naの場合に近い伝導性をもち、電気抵抗の温度依存性はほとんどないが、この付近で激しい転移が観測された。今回、備品として設置したRFアナライザーにより、多核固体NMRの測定が可能になり、^7Li、^<23>Naおよび^<13>CNMRに関して測定を行った。C_<60>アニオンラジカルの炭素核のT_1緩和時間は、Na_xC_<60>(THF)_yで166msであり、中性C_<60>に比べてかなり短いことがわかった。液相から成長した単結晶のESRスペクトルはC_<60>アニオンラジカルに典型的なシグナルを示す。遷移金属との反応では、配位不飽和種の生成をもくろみ、Ni(cod)_2とC_<60>との反応を試みた。またランタノイド金属との反応では、種々の硝酸塩を出発原としてC_<60>との反応から新規付加体を合成した。Smの場合、電解結晶成長法により得られた結晶には伝導性を確認した。また、クラスター融合過程での分子凝集モデルとして、多環芳香族化合物の分子内水素結合の特性に関しても検討を行った。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)