Project/Area Number |
08640753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
物質変換
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
折山 剛 茨城大学, 理学部, 助教授 (90185687)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 不斉アシル化 / 臭化スズ(II) / 光学活性ジアミン / ラセミアルコール / アキラルなアシル化剤 / 臭化ベンゾイル / 光学分割 |
Research Abstract |
塩化メチレン溶媒中、30mol%の臭化スズ(II)と(S)-プロリンから誘導されるキラルなジアミンの1:1錯体の存在下、ラセミ第2級アルコールと臭化ベンゾイルを-78℃で反応させたところ、高エナンチオ選択的にアシル化生成物である安息香酸エステル誘導体が得られることを見出した。 1.ラセミアルコールとしてトランス-2-フェニル-1-シクロヘキサノールを用いた場合には最高97%eeの光学収率で不斉アシル化することができた。 2.トランス体だけでなくシス体の2-フェニル-1-シクロヘキサノール誘導体、あるいは5員環や8員環などの環状第2級アルコールについても不斉アシル化を行ったところ、高い不斉誘導能を示した(86-94%ee)。さらに、環状だけでなく鎖状ラセミアルコール、アリルアルコールなどについても不斉アシル化による光学分割を達成することができた。 3.分子内に他の官能基を有するアルコールとしてβ-ハロヒドリンについても不斉アシル化を試みたところ、最高96%eeの光学収率でアシル化生成物が得られた。 従来、ラセミアルコールの不斉アシル化に基づく速度論的分割は酸素を用いる反応がほとんどであり、酵素を用いない場合でも、キラルなアシル化財を用いる手法が主流である。また、その基質適用範囲に限定があり、その選択性も十分に高いものではない。これに対して今回、アキラルなアシル化剤によるアルコールの不斉アシル化においてこれまでにない高いエナンチオ選択性を実現することに成功した。以上の結果をふまえて今後は、本反応の適用範囲をさらに詳細に検討する。また、この非酸素型不斉アシル化反応を利用してステロイド類などの有用な生理活性物質の全合成を試み、反応の有用性、一般性を実証する予定である。
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