エレクトロスプレーオンライン質量分析による溶液反応中間体の検出
Project/Area Number |
08640774
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
分離・精製・検出法
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
荒川 隆一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00127177)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | エレクトロスプレー / オンライン質量分析 / ルテニウム(II)錯体 / 光反応 / 光酸化 / 同位体ラベル |
Research Abstract |
溶液試料が流出している注射針に高電圧を印可すると,大気圧下で液体がその先端から静電場噴霧され,溶液中のイオンが気相に抽出されるエレクトロスプレー(ES)イオン化が著しく発展している.我々はこのESインターフェースを取り付けたオンライン質量分析(ES-MS)によって,光励起した金属錯体の配位子置換反応の中間体(2座配位子が単座配位した状態)を直接検出することができた.そこでこの手法を発展させて溶液中のいろいろな化学反応中間体または初期生成物を迅速・高感度で質量分析できるオンラインシステムを確立するのが目的である.この手法は溶液相における新規光反応の発現の有無を検証する簡便な方法となりえる.そこで,金属錯体における配位子の新しい光酸化過程の探索を試みた. 酸素が溶存するアセトニトリル中において,Ru(bpy)_2(en)^<2+>(en=etylenediamine)の光酸化反応(λ>420nm)をオンラインES-MSを用いて研究した.脱水素酸化されて生じる質量数が2小さい中間体Ru(bpy)_2(en-2)^<2+>の構造は,同位体化合物etylene-d_4-diamine,^<18>O_2を用いた質量分析により確認され,その(en-2)配位子は,エナミンではなくイミン構造であることがわかった.さらに質量数が14大きい生成物Ru(bpy)_2(en+14)^<2+>を生じる酸素化経路は,アミンの水素原子二つの脱離と酸素原子一つの付加を伴う一段階過程で起こり,その(en+14)配位子の初期生成物の構造は,ニトロソ構造であることがわかった.さらにRu(bpy)_2(NO_2^-)^+などのイオン生成物を同定することが出来た.また,Ru(bpy)_2(en)^<2+>の光酸化反応における酸素原子源は,溶液中に溶解している酸素分子であって水ではないこともわかった.
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)