Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
キャピラリー電気泳動(CE)は幅広い分野において注目されている高性能分離分析法である。CEの検出法は紫外吸収または蛍光検出が一般的であるが、一つのピークについて単一の情報しか得られないという欠点がある。質量分析法(MS)をCEに直接結合させるCE-MSではピークに関する多数の情報を得ることができるため,高感度・高選択性検出法としてその実用化が期待されている。本研究では、これまでに得られているCEによる光学異性体の分離とCE-MSに関する検討結果とに基づいて、CE-MSの光学異性体分離検出への応用を図ることを目的とした基礎的検討を行った。 1. CEによる光学分割では、(1)キャピラリーゾーン電気泳動(CZE)の泳動液に種々のシクロデキストリン(CD)を添加したものを用いるCD-CZE、および(2)キラルなミセルを用いるミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)が有効であることが分かっている。本実験では,まず光学異性体の分離系の条件設定を行った。 2. CD-CZEでは2, 6-di-O-methyl-β-CD, 2, 3, 6-tri-O-methyl-β-CDを中心とした誘導体化CDをキラル識別剤として用いたところ,種々の光学活性薬物成分のキラル分離が可能であることが明らかとなった。 3.キラルなミセルを用いるMEKCでは,新たに合成された酒石酸誘導体ミセルを用いて,いくつかの鏡像体試料の光学分割条件を検討した。その結果,DLーダンシルアミノ酸を中心に従来のキラルMEKCに比べ良好な分離が達成できることが明らかとなった。 4. MEKC-MS系の構築のため,主に体気圧化学イオン化(APCI)法を用い,ミセル部分充填法と組み合わせた分離条件の設定および種々のパラメータの最適条件について検討し,光学異性体分離系との結合が可能であることが明らかとなった。
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