サルモネラにおける鞭毛構造形成過程のモニター機構に関する分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
08640788
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
遺伝
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沓掛 和弘 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (90143362)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 細菌鞭毛 / アンチシグマ因子 / 蛋白質輸送 / 輸送スイッチ / 遺伝子発現制御 / 形態形成 / 鞭毛フック |
Research Abstract |
サルモネラの鞭毛レギュロンの発現と鞭毛形態形成過程の共役は、鞭毛レギュロン特異的アンチ・シグマ因子であるFlgMが鞭毛フック完成時に鞭毛構造を通って細胞外に輸送されることによって制御されている。したがって個々の鞭毛には、フック構造の完成をモニターしてFlgMの輸送を開始させる機構が存在するはずである。本研究では、フック構造の完成シグナルの伝達過程に焦点をあてて解析を行い、以下の成果を得た。 1.構成的シグナリング突然変異体の同定:フック完成シグナル伝達過程に関わる蛋白質を同定するため、フック非形成下でもFlgMの輸送が起こる突然変異体、すなわち構成的シグナリング突然変異体を単離した。遺伝子解析の結果、それらはfliKまたはflgG遺伝子の突然変異体であることが判明した。エピスタシス解析の結果、フック完成シグナル伝達過程においてFlgGはFliKの上流で位置することが明かとなった。なお、FlgGは鞭毛基部構成蛋白質の1つであることから、鞭毛構造そのものがこのシグナル伝達の経路になっているものと考えられる。 2.構成的スイッチング突然変異体の同定:フック完成時にFlgMの輸送を開始させる輸送スイッチとして機能しているFlhB蛋白質の突然変異体を多数解析した結果、フック完成シグナル非依存的にフック蛋白質の輸送を停止してしまう突然変異体が存在することが判明した。この結果は、FlhB輸送スイッチがフック完成時にFlgMの輸送を開始するとともに、フック蛋白質の輸送を停止する役割を果たしていることを示している。 3.フック蛋白質輸送制御機構の解析:フック蛋白質の輸送開始をスイッチする蛋白質として、FlgDを同定した。これにより、フック形成はその構成蛋白質の輸送の開始と停止で制御されていることが明らかになった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)