ペリプラズムにおけるアンフォルド状態タンパク質を安定化する因子
Project/Area Number |
08640830
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
植物生理
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 敏生 広島大学, 理学部, 教授 (90087130)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | 脱窒光合成細菌 / DMSO呼吸 / ペリプラズム / フォルディング / 分子シャペロン / DMSO還元酵素 / 擬集抑制因子 / DppAタンパク質 |
Research Abstract |
脱窒光合成細菌が有するDMSO呼吸の末端還元酵素,DMSORはペリプラズムに局在するタンパク質である。ペリプラズムにおけるタンパク質のフォルディング機構はあまり研究されておらず、またペリプラズムには分子シャペロンの存在は見出されていない。私達は光合成細菌のペリプラズム中にアンフォルドDMSORの擬集を抑制するタンパク質が存在することを見出した。本研究では,そのタンパク質の分離精製を行い,次の結果を得た。 (1)ゲルろ過,イオン交換,疎水クロマトの各クロマトグラフィーにより,ある特定のタンパク質が擬集抑制活性をもつことを再確認した。 (2)分離したタンパク質の分子量は58kDaで,N末端の14アミノ酸は大腸菌DppA (dipeptide binding protein)と全く相同であった。 (3)大腸菌の細胞質に局在する典型的な分子シャペロンであるGroEL (14mer)は強いアンフォルドDMSORの擬集抑制活性をもつが,分離した58kDaタンパク質のモノマー当たりの比活性はGroELとほぼ同様であった。 以上の結果は,大腸菌のDppAタンパク質と相同な58kDaタンパク質が分子シャペロン様活性をもつことを示し,これはグラム陰性細菌のペリプラズムに存在する分子シャペロン様タンパク質の最初の例と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)