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¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Research Abstract |
地球上の陸地面積の多くは塩濃度が高く,植物の塩ストレスに対する適応と防御の機構を明らかにし,塩耐性な植物を創製することは,植物生理学的に重要な課題である。最近,申請者等は,光化学系Iで作られた還元力がNADHデヒドロゲナーゼを介して再度利用される循環的電子伝達反応の活性化,およびベタインの蓄積が塩ストレスの防御にとって重要であることを明らかにした。本研究課題では,植物の塩ストレス防御に重要と思われるもう一つの因子,ナトリウムイオンの細胞外へのくみだしについて研究した。具体的には,バクテリアのNa^+/H^+アンチポーター遺伝子を,ラン藻に導入した形質転換体を用いて,Na^+/H^+アンチポーター活性と耐塩性の関係を明らかにすることを目的とした。これまで,Na^+/H^+アンチポーターが,耐塩性に寄与するかどうかについては,植物生理学的研究からは明らかにされていない。Na^+/H^+アンチポーター遺伝子を光合成生物に形質転換した報告は国内外にない。そこで,我々は,バクテリア(Vibrio alginolyticus)のNa^+/H^+アンチポーター遺伝子(nhaA)をラン藻(Aynechococcus sp.PCC7942)に導入した形質転換体を作製した・形質転換体の遺伝子が発現していることはノーザンブロッティング法で確認した。塩ストレス下における形質転換体の野生型の生育速度の違いを比較したところ、ある種の条件では、形質転換体の方が生育速度が遅くなることが明らかになった。その原因について,検討を進めている。
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