Project/Area Number |
08640845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
生物形態・構造
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
野崎 眞澄 新潟大学, 理学部, 教授 (70136232)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 下垂体 / プロオピオメラノコルチン / ACTH / 嗅覚系 / GnRHニューロン / ヤツメウナギ / 板鰓類 / 腺下垂体ホルモン |
Research Abstract |
鼻下垂体因子(NHF)はヤツメウナギの下垂体より単離・構造決定された糖蛋白で、成体では腺下垂体にのみ発現しているが、幼生では、腺下垂体ばかりでなく嗅器官や嗅器官から下垂体に至る鼻下垂体管にも免疫活性がある。このNHFは、その後の研究によりACTHの前駆体蛋白であるPOMCのN端ペプチドであることが判明した。そこで、他のPOMC関連ペプチドの分布を調べた。その結果、ACTHもNHFと同様、成体では腺下垂体にのみ免疫活性があるが、幼生では嗅覚系にも免疫活性があることがわかった(論文準備中)。これらの結果は、幼生期のヤツメウナギの嗅覚系が腺下垂体と同様の内分泌特性をもつことを示唆している。一方、顎口類では、嗅覚系で生まれたGnRHニューロンが発生が進むとともに視床下部に移動してくることが知られているが、円口類では同様の報告はない。そこで、人工受精したヤツメウナギ胚を用いて発生に伴うGnRH(ヤツメウナギGnRH-III)ニューロンの出現状態を調べた。その結果、GnRHニューロンは受精後22日(水温18-21℃、孵化後9-12日)の前幼生期に初めて出現するが、その部位は成体での分布域と同じ視床下部視索前野であった。その後の幼生を含めて嗅覚系にはGnRHニューロンは検出されず、ヤツメウナギではGnRHニューロンと嗅覚系を関連づけることはできなかった(論文投稿中)。ヤツメウナギ以外では、板鰓類(トラザメとコモンカスベ)の成体における腺下垂体ホルモンの分布を明らかにした(日本動物学会第67回大会発表、1996年)。孵化当日のコモンカスベ胚の結果は成体とほぼ同様であり、もっと初期の胚について調べる必要がある。このほか、マボヤの神経腺からホルモンを単離する試みも続けているが、現在まで成功していない。
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