形態形成運動時のアクチン線維形成に関わるアクチン調節蛋白質コフィリンの機能解析
Project/Area Number |
08640858
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
阿部 洋志 千葉大学, 理学部, 助教授 (00222662)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | コフィリン / アクチン / アクチン調節蛋白質 / Xenopus / 形態形成運動 / リン酸化 |
Research Abstract |
コフィリンは分子量20kDのアクチン調節蛋白質であり、近年、細胞の増殖、運動に必須の蛋白質であることが明らかになっている。本研究者は、Xenopusからコフィリンを単離し、その機能について調べ、細胞質分裂に必須であることを明らかにしてきた。しかしながら、初期発生の形態形成運動における機能はまだ明らかではなかった。コフィリンのアクチンへの作用はリン酸化により調節されていることが報告されている。Xenopus胚においても、卵割期ではリン酸化レベルは低く保たれているが、胞胚中期から再びリン酸化レベルの上昇が観察される。そこで形態形成運動時でのアクチン細胞骨格のダイナミクスにコフィリンがどのように関与しているのかを明らかにするために、コフィリンのリン酸化部位変異体を作製し、それらのmRNA及び発現プラスミドを2細胞期の両割球に注入し、その後の胚発生を追跡した。 コフィリンのリン酸化部位であるN端から3番目のSerをAlaに換えた活性型コフィリン(A3)、Gluに換えた不活性型疑似リン酸化コフィリン(E3)、及び野生型(WT)のそれぞれのmRNAをin vitroで合成し胚1個あたり5ngを割球に注入したところ、A3の場合でのみ桑実胚以降に卵割の阻害が見られた。そこでmRNAを1ngで注入しその後の胚発生への影響を調べた結果、A3注入胚で嚢胚形成の異常が観察された。この異常胚を固定し切片を抗コフィリン抗体による蛍光抗体法で観察すると、A3変異体の発現が広範囲に見られ、また原腸の形成が阻害されていることが分かった。WT、E3注入胚では、高発現は認められるが、形態形成運動の阻害は全く観察されなかった。同様の結果は発現プラスミドの注入によっても得られ、コフィリンのリン酸化による活性の調節が正常な形態形成運動の進行に必要であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)