乾燥地に適応したカエルの飲水行動に関する感覚性入力
Project/Area Number |
08640872
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
動物生理・代謝
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
長井 孝紀 帝京大学, 医学部, 講師 (50130026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 洋道 横浜市立大学, 看護短期大学部, 助教授 (00170407)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 脊髄神経 / 皮膚上皮 / 化学受容 / ナトリウムイオン / アミロライド / 蛍光色素 / カエル / 飲水行動 / 上皮細胞 / 化学感覚 / ナトリウムチャネル / 行動 |
Research Abstract |
乾燥地帯に棲むヒキガエル(Bufo alvarius)は、塩類を含む高浸透圧の溶液を検出し、これを避けることで脱水を防いでいる。塩類の化学情報は腹部の皮膚を支配する脊髄神経の活動によって中枢へ入力されていることを明らかにした。明らかにされた点を列挙する。 1。下腹部皮膚を支配する脊髄神経の5-6番は皮膚をNaCl,KClなどで刺激すると、潜時の遅い応答が観察された。次に、上皮細胞でのナトリウム輸送に関与するチャネルをアミロライドで阻害しておくと、NaClへの神経応答は選択的に抑制された。 2。食塩の識別行動はアミロライドで抑制されるが、塩化ナトリウムに対する識別行動は抑制されない。この時の食塩の濃度(200-300mM)とアミロライドの濃度(10μM)は神経生理実験と一致した。 3。蛍光色素diIによる標識は、脊髄神経が上皮細胞を支配することを明らかにした。さらに電子顕微鏡観察により、この標識された細胞は一般に想像される機械受容性の細胞ではなく、胚芽層の細胞であると判明。また、この細胞と脊髄神経末端は上皮細胞層の深い層に位置していた。 これらの実験事実から、アミロライド感受性ナトリウムチャネルを通過したNa^+イオンが皮膚上皮層の深い部位に拡散し、標識された細胞または神経末端を刺激する結果、脊髄神経の興奮が起こる。この神経情報を用いてヒキガエルは高浸透圧の溶液を忌避し、脱水を防いでいると結論した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)