Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
複合材料の強度評価は破壊機構が複雑であることから,従来かなり経験的に行われてきたが,その定量的評価法の確立が最近特に必要となってきた.このため,強化機構のみならず負荷荷重によって生じる損傷機構をまず明かにすることが要求されるようになった.そこで本研究では実際の繊維の状態をほぼ正確にモデル化したモデルを厳密に解析することによって,繊維強化複合材料の力学的強化機構および損傷機構を解明する事に成功した. [1]特異積分方程式法による長方形介在物,円柱状介在物の高精度解析方法の確立はじめに問題を体積力法の考え方を適用して特異積分方程式で表現し,解析する手法の有効性,信頼性を確かめた.また,介在物角部に生じる特異応力を角部に関して定義された応力拡大係数で表現し,その解析精度を検討した.その結果,境界をいくつかの基本区間に分割し,各基本区間での未知関数を基本密度と多項式で近似することが有効であることを解析条件を変化させて確認した. [2]特異積分方程式法による長方形介在物の強化機構,損傷機構の解析 母材中の強化繊維の補強効果を調べたこれまでの研究の多くは繊維を線近似する1次元モデルを用いているため,繊維の材質寸法の影響を説明する上で十分なものではなかった.本研究では,繊維の剛性や長さを変化させて,強化繊維を長方形介在物とみなしたときのChenの結果と比較検討した.つぎに,解析のなされていない複数個の繊維の干渉効果を各種条件下で明らかにした. [3]特異積分方程式法による円柱状介在物の強化機構,損傷機構の解析 強化繊維を円柱状介在物とみなしたときの強化効果の解析はこれまでに見当たらなかった.しかし,実際の繊維の補強効果の解明にはこのような3次元モデルが不可欠であると考えられる.本研究では,[1],[2]で得られた知見を基にして,円柱状とみなしうる繊維の剛性や長さを変化させて,繊維に沿って応力,変位がどのように分布するか,強化機構に影響する因子を明かにした.
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