Project/Area Number |
08650299
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Dynamics/Control
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
下郷 太郎 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30051147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 秀征 神奈川工科大学, 工学部, 助手 (60085131)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 振動制御 / 電気粘性ダンパ / トラック / 乗り心地 / シートサスペンション / オンオフ制御 |
Research Abstract |
大型トラックの運動席はばね・ダンパによって支持されているが、乗り心地をさらに改善するために、ダンパを電気粘性ダンパ(electro-rheological-damper)によって置き換えた場合の制振効果を数値シミュレーションと振動実験によって調べた。制御則としては、Crosby & Karnooppのオンオフ方式によってダンパへの入力電圧を切り替えた。振動実験においては、トラック・キャブ床面の上下加速度として正弦波またはランダム波(実測データに基ずく)を与え、応答としてはキャブ床面およびシートの加速度を検出して積分したものを用いた。電気粘性流体としてはシリコン油に炭素状粒子を懸濁させたものを用いたが、降伏せん断力が入力電圧によって変化するため、線形減衰係数をオンオフ方式によって切り替えるのとは異なる。 シミュレーションと実験の結果から、シートの加速度を最小にする入力電圧(オンオフにおけるオン時の電圧)が床面の振動数に応じて存在することが示された。本研究の装置では、2Hzの正弦波加振のとき約4kVの制御電圧において応答加速度が最小となった。首都高速道路走行時のキャブ床面は2.2Hzにピークをもつが、このときも同様な結果が得られた。2Hzにおいて制御効果が著しいことも示されたが、これはシートの固有振動数に近いためであり、電気粘性ダンパも通常のダンパと同様に共振振動数成分の抑制に有効である。しかし減衰係数は通常のダンパのそれよりも可なり小さいから、制御効果はあまり顕著でない。また降伏せん断力による非線形性の影響によって高調波振動が生じるが、これはシートクッションの減衰などによって吸収されることがわかった。ダンパの特性が線形になるように電圧を制御して、その線形化された減衰係数をオンオフ方式で切り替えることにより制振効果は向上するが、特に衝撃的外乱に対してはこのような方法が不可欠であることがシミュレーションによって確認された。トラックシートのサスペンションとして電気粘性ダンパを実用化するには小型化が不可欠であり、これは将来に残された最大の課題である。
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