Project/Area Number |
08650403
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
電子デバイス・機器工学
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宇佐美 興一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60017407)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯郷 成美 (湯郷 茂美) 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (80017392)
後藤 俊成 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70017333)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 冷陰極 / MIS型冷陰極 / トンネルエミッション / トンネル効果 / ダイヤモンド薄膜 / DLC / 絶縁膜 / RFスパッタリング |
Research Abstract |
この研究では、ダイヤモンド系薄膜を用いてMISトンネル冷陰極の低電圧動作化と電子放射効率の向上を試みている。ダイヤモンド薄膜の低い仕事関数をもつ性質を利用すると、素子電圧が低くても大きな電子放射(エミッション)を得ることができ、トンネル冷陰極の高効率化が可能となる。またダイヤモンドは物理的、化学的に極めて安定であり、この薄膜は高信頼度のトンネル絶縁膜としても期待できる。本年度は、昨年度に引き続きダイヤモンドと良く似た物理的性質を持つDLC(Diamond Like Carbon)膜のトンネル型冷陰極への応用の可能性について検討を行った。 DLC膜はSi基板上にRFスパッタリング法により形成した。その結果10-50nmの範囲で、厚さをスパッタ時間により精度よく制御できることがわかった。また昨年度の結果より、スパッタリング条件、特に基板温度と水素ガスの放電Arガス中への混合比によって、得られた膜の電気的性質が変化することがわかった。そこで、今年度は堆積中に直流バイアスを印加し、水素イオンを加速して膜表面で相互作用させることにより水素が取り込まれる効果について調べ、できるだけ薄い膜でグラファイト含有量の少ない耐電圧の高いDLC膜の形成を試みた。バイアスを0Vから-60Vまで変化させた結果、-10Vでも膜質の変化があり、グラファイト含有量の少ない透明なDLC膜が得られた。このDLC膜を用い、MIS素子としたときの絶縁破壊の起こる電界強度を調べたところ、基板バイアス0Vでは、5.2×10^6V/cmであるのに対して、-20Vのバイアスを加えることにより1.2×10^7V/cmまで大きくなり、絶縁耐圧が改善された。これは、バイアス電圧により活性化された水素のDLC膜中への取り込み量に関係しているものと思われる。
|