Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
携帯電話,PHS等の移動体通信は,今日の情報化社会に著しく貢献し,その重要性は益々高まりつつある.しかしながら,電波伝搬の問題で地下街などの地下構築物内では,その使用が制限されており,特に分岐折れ曲がりがあれば通信はかなり困難である.トンネル構造をなす空間における電波伝搬におけるこれまでの研究は,一様なトンネル内における伝搬特性解明,すなわち伝搬モードの減衰特性に関するものが主流である.本研究では,地下街等で基本的な分岐折れ曲がりをもつトンネルを取り上げ,実用的な観点から解析と実験を進めようとするもので、従来の研究からの大きな前進を得てるものと考えている。そのことを可能にしたのは,トンネル内の電波伝搬問題にFVTD法(任意の小さな多面体セルに対して,マクスウェルの方程式を体積積分することによって離散化される差分方程式)の導入によるものである.我々は,このFVTD法の適用が2次元の一様トンネルに対して極めて有効であるとの知見を既に得ていた.今回は,地下街等の実際問題に近い分岐折れ曲がりの中で十字形分岐をもつトンネルを基礎として,T形分岐,L形曲がり,クランク形曲がりについてFVTD法を適用して理論的に解析した.理論計算と並行して,マイクロ波を用いたモデル実験装置を開発して伝搬実験を行い,多くのデータを得て,分岐折れ曲がりをもつトンネル内の電界強度分布を明らかにし,FVTD法による理論解析の数値計算結果とよく一致することを実証した.従って,基本的な分岐折れ曲がりをもつ2次元トンネルに対してFVTD法の有効性を明らかにすることができた.これらの研究成果については,学術論文,研究会及び学会講演等に発表している.今後の課題は,このFVTD法を適用して,実際の地下街をモデルとした複雑な形状のトンネル問題を理論的及び実験的に解決する必要がある.
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