Project/Area Number |
08650483
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
計測・制御工学
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
伊藤 秀明 信州大学, 工学部, 助教授 (60143989)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 音叉型水晶振動子 / 触覚センサ / インピーダンス変化 |
Research Abstract |
音叉型水晶触覚センサの原理は振動子の基底部を物質に接触させた時の基底部からの振動エネルギー漏れによってインピーダンスが増大する性質を用いている。音叉型水晶触覚センサのスライドガラス、アルミ、鉛、銅、ステンレス、真鍮への接触実験から、振動子の基底部からこれらの物質へのエネルギー漏れは水晶と物質の音響インピーダンスの違いによる縦波平面波のエネルギー透過率の理論値に比例することが分かった。また、銅板とアルミ板の上に粗さの違う5種類の紙やすりを張り付けて接触実験を行ったところ、粗さが粗い程音叉型水晶触覚センサのインスピーダンスが減少することが判明した。これは粗さが粗くなることによる水晶振動子から銅板やアルミ板への紙やすりの粗さによって接触面積の減少による振動エネルギー漏れが減少するためであることが分かった。このことから音叉型水晶触覚センサは接触する物質の音響インピーダンスの違いと粗さによる接触面積の違いの組み合わせにより識別していると考えられる。この研究成果を踏まえて紙質を識別できるかどうかを調べるため、銅板の上に上質紙、新聞紙、コピー用紙、中質紙、わら半紙を合成糊で張り付けた場合と載せた場合について接触実験を行なったところ、紙を合成のりで張り付けた場合には、上記に記した順にインピーダンスが減少した。この結果は丁度パルプと再製紙の割合に対応していることが分かった。さらに紙を銅板の上に載せた場合にはパルプを主成分とする紙と再製紙を主成分とする紙に明確に二分した。パルプと再製紙では音響インピーダンスが異なっていると考えられ、この結果を反映して紙質を識別していると考えられる。音叉型水晶振動子の基底部の縦振動がどのようなメカニズムで発生するかははっきりしていない。そこで、音叉型水晶振動子の腕の部分と基底部を各々棒で近似し、基底部の先と腕の付け根が接続されていて屈曲振動する妹沢理論を用いて解析して求めた周波数は32.768kHzで6kHz低めにでたが、このずれは従来の解析結果と遜色ないことが分かった。この解析から基底部には疑似的に縦振動と見なせる屈曲振動が生じていることが分かった。
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