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¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
主音源からの騒音を基準マイクにより検出し,第2音源からアクティブに制御音を生成し目標点での騒音レベルを抑制する能動騒音制御において,主音源からの2つの1次伝播経路,制御音源からの2つの2次伝播経路に関する情報は極めて重要である.設定した研究目標に関して次の新しい成果が得られた. 1)1次伝播経路の変動に関して,安定性を理論的に保証する新しいロバスト適応アルゴリズムを構築し,これをエア-ダクトを用いた適応制御実験により実証し,約30dBのキャンセリング性能が達成できた. 2)2次伝播経路の変動に関しては,従来では適当キャンセリングを実時間で安定に実施する方法や実験結果の報告はないが,本研究では2つの総合伝達特性をFIRフィルタで同定し,この比をとり逆FFTを適用することにより,適応能動コントローラを実時間で構成できることを示し,初めてエア-ダクトにおける適応制御実験に成功した. 3)主音源,基準マイク,第2音源,目標点マイクがそれぞれ複数個存在するようなマルチチャンネル形能動騒音制御における適応制御を安定に実現するための新しいマルチチャンネル形ロバスト適応アルゴリズムの構築と実際のエア-ダクトにおける実験による検証を行うことに成功した.特にマルチチャンネル形の適応制御では第2伝播経路行列の干渉効果をいかに解決するかが分散適応制御を行う場合に重要であり,今回は従来の多入出力系のロバスト適応アルゴリズムと比較して極めてタイトに干渉項の上限を利用できるのでキャンセリング誤差の上界を抑えることができる点に大きな特徴が見られた. 以上,アクティブに制御音を生成し音場騒音を安定に制御する一つの有力ロバスト適応手法を与えることができたが,今後はこれらの手法や成果を発展さえて音場再生のための実時間適応制御に関して取り組みたいと考えている.
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