Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本研究は3次元モーメントスペクトルという新しい概念で地震動の破壊性能を調べることを主たる目的としたものである。この目的に沿い,以下の研究を実施した。 1.阪神・淡路大震災の調査に基づき,構造物の重心と剛心が異なることに伴い発生する運動モーメントが地震の破壊性能を決めるパラメータでないのかという着想を得た。これを明らかにするため,3次元モーメントスペクトルの概念を確立するとともに,その理論的誘導を行った。また,理論誘導に基づき,3次元地震記録からモーメントスペクトルを求めるプログラミングをすすめた。このプログラムは阪神・淡路大震災の強震記録を始め,近年の被害地震で得られた強震記録に適用され,阪神・淡路大震災の地震動の破壊性能がモーメントスペクトルという観点から相対的に評価された。その結果,阪神・淡路大震災の地震動の3次元モーメントスペクトルは他の被害地震のそれより大きいことが判明した。ただし,従来のパラメータによる比較でも同様の結論が得られた。 2.さらに多くの強震記録を対象に,このような相対比較をすべく検討を行った。すなわち,多くの強震記録を供給する気象庁の記録媒体がオープンMTであることに鑑み,新たにオープンMTハンドラ-を研究設備として購入し,これを研究室保有のワークステーションに連結した。この計算システム拡張による作業は現在も継続中である。 3.3次元モーメントスペクルを大きくする地震動は地盤の不整形によりもたらされる可能性が高いことから不整形地盤の応答解析を平行してすすめた。本研究では,これを疑似スペクトル法と有限差分法により行い,3次元モーメントスペクトルが大きくなる不整形地盤は同時に地盤中の応力,ひずみを大きくすることが明らかとなった。また,波動伝播特性から,観点の,3次元モーメントスペクルを大きくする諸要因を明らかにするため,阪神大震災により得られたアレー強震記録,常時微動の地中アレー観測の考察も行った。
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