Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
1.Boussinesq方程式は非線形性と分散性を含んでおり,浅水変形,屈折,回析,反射を考慮することができる.しかし,Boussinesq方程式を時間領域上で解いて不規則波の平面的な波高分布を出す場合には1000波近い計算を行わなくてはならず,実用に供するにはまだ難しい.本研究ではBoussinesq方程式のファミリーであるKP方程式をもとに,空間発展型のモード結合方程式を誘導し,砕波減衰項を取り入れ,適用範囲を拡張した平面2次元の非線形不規則波浪浅海変形モデルを構築し,モデル海浜および現地海浜に対する計算を通してその特性を検討した. 2.(1)波は基本周波数に対して周期的であるとし,水位変動を複素フーリエ級数で表し,複素振幅に関するモード結合方程式を得た.この式は,時間領域上でBoussinesq方程式を解くより,非常に少ない計算時間で解ける.(2)モード結合方程式の分散項,非線形項,回析項を任意水深に対しても適用可能なように修正し,また段波モデルによる砕波減衰項を加えた.(3)モデル海浜として楕円浅瀬,白浜気象海象観測所周辺の海底地形を模擬した円錐浅瀬,ある現地海浜を対象とし,不規則波の平面変形の解析を行った. 3.(1)楕円浅瀬周辺の計算された無次元有義波高を実験結果と比較したところ,両者はよく一致した.(2)現地モデル海浜を対象とした計算結果では浅瀬斜面上での浅水変形,砕波減衰,浅瀬背後の波高の増大が見られた.(3)有義波高の計算結果は,線形モデルによる計算結果も非線形モデルによるそれもほとんど変わらなかった.しかし,スペクトルにおいてはその差は非常に顕著で,線形モデルでは入射波スペクトルは相似形を保って増減するだけであるが,非線形モデルでは低・高周波領域でのエネルギーの増加によりその形状が変化する.(4)現地海浜における計算値と実測値の比較においては,計算値が若干大きくなった.
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