Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
近年の観光需要の増加に伴い,観光地域では環境破壊や交通渋滞といった数々の問題が生じ,それらが観光行動の制約となり,観光地の魅力自体を低下させる大きな要因の一つとなっている.これらの問題を解決し,快適な観光行動を保障するためには,人の観光行動規範に基づく観光交通需要の予測手法,および観光交通施設の整備手法,および流入制御や経路誘導などの交通需要管理手法の開発が早急に望まれている.また,観光開発が自然資源や地域振興に与える影響分析の方法論の開発も必要である. 本研究では, (1)人の観光周遊行動を,ランダム効用理論による観光目的地選択モデルとDurationモデルを適用した目的地での滞在時間モデルとを組み合わせることによって,時-空間的な観光目的地の連続的選択行動としてモデル化した.このモデルによって,観光系幹線道路網の整備による観光周遊パターンや滞在時間の変化などの観光需要の予測,および整備効果の計測を可能とした. (2)観光地における観光活動の適正水準を表すいくつかの観光容量の定義を提案し,その値の推計方法として,変動需要型確率均衡配分モデルによる配分シミュレーション法を提案した.実際に阿蘇地域を対象として観光容量の推計計算を行い,提案した推計方法の妥当性の検証と観光容量の定義のあり方についての考察を行った. (3)諸外国,主としてアメリカにおける観光開発の影響評価手法,および天然資源に及ぼす影響を最小限に抑えるための観光開発手法についての資料収集調査を行った. 今後は,(1)と(2)のモデルを結合して,観光関連交通施設整備や観光交通需要管理施策に対する交通需要予測,及び整備効果の計測を行い,実用化を図ることが課題となる.
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