ヒートアイランド現象に対するポーラスアスファルト舗装の抑制効果
Project/Area Number |
08650638
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姫野 賢治 北海道大学, 工学部, 助教授 (30156616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上島 牡 北海道大学, 工学部, 助手 (60001228)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | ヒートアイランド現象 / ポーラスアスファルト舗装 / 顕熱輸送 / 赤外放射 |
Research Abstract |
近年、都心部の気温がその周辺部に比べて高温になる、いわゆるヒートアイランド現象が問題となっている。ヒートアイランド現象が夜間に多く報告されることや、都市の乾燥化の原因になっていることを考えると、地表面を覆っている舗装の影響は決して無視することのできない要因となっている。そうした中、従来の密粒度アスファルト舗装に代わる舗装としてポーラスアスファルト舗装が注目されている。この舗装体は、連続した空隙を持つ多孔質な構造であるため雨水を速やかに透水するという特徴を持ち、また従来の密粒度アスファルト舗装に比べて間隙率が大きいため熱容量が小さいという性質もある。そこで本研究では、ポーラスアスファルト舗装の熱的特性を調べた上で、舗装が大気を加熱する熱量を算出し、密粒度アスファルト舗装と比べてどの程度の熱的な違いが現れるかを調べた。 まず、ポーラスアスファルト混合物、密粒度アスファルト混合物、コンクリートについて、表面の色を種々に変えて、表面温度と赤外放射量の関係および気温と大気放射量の関係を調べたところ、各物質の違い、色の違いについては、はっきりした違いは現れないことがわかった。すなわち、大気への影響を考えると舗装の違いによる影響といったものは少なく、舗装体の温度を低くすることが赤外放射量を少なくすることにつながるといえる。また、地上の舗装を用いた観測による大気からの赤外放射量、室内実験による舗装表面の熱伝達率を風速の関数として定量化した。 以上のようにして実験と観測から求めた混合物の種々の熱特性を用いて、舗装体の表面温度からの赤外放射量、顕熱輸送量を算出し、大気に吸収される熱量を求めた。その結果、昼間はポーラスアスファルト舗装からより多くの顕熱輸送があること、各舗装体からの赤外放射量にはそれほど変わった変化は見られないこと、その結果総合的に、ポーラスアスファルト舗装からは夜間より少ない熱量が放出されていることがわかった。これより、ポーラスアスファルト舗装を採用した場合、夜間のヒートアイランド現象の抑制にはつながることが期待できるといえる。ただし、ポーラスアスファルト舗装が大気の温度上昇をどの程度抑えることができるか、またその温度差が上昇気流を抑えることができるかといったことについては、今後さらに細かいデータを収集し、気象学的な研究を進める必要がある。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)