Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
これまでの生物膜型水処理装置の開発研究では,反応器をブラックボックス的に取り扱う経験工学的な方法論に多分に頼ってきた.しかしながら,生物膜プロセスの信頼性,安定性,融通性を拡大するためには,このブラックボックスを開いて、生物膜やグラニュールなどのアグリゲート体の微生物生態学的構造を明らかにし、その構成フローラのダイナミックスをより精確に把握したうえで,その能力をより効果的に発揮させうるような生息環境をつくり出すことが必要である. そこで本研究では、集塊化増殖体内でのin situな物質代謝特性と微生物生態学的構造を直接的に把握するために,先端径が10〜20μm程度のガラス製チップで構成される種々の微小電極(Microelectrodes)セサ-を開発し,嫌気性微生物アグリゲート(UASB反応器で培養されたグラニュール汚泥)および好気性微生物アグリゲート(固定担体上に形成された生物膜)に適用して,アグリゲート体内の任意の現位置での目的物質濃度検出を行った.さらに,基質の消長,生産物蓄積やその結果として生起するpH勾配の様相などを記述する生態学的構造モデルを構築し,別途回分実験より求めた動力学的パラメーター値を用いたシミレーションによってモデルの検証を行った. 開発した微小電極は,pHセンサー,硫化イオンセンサー,アンモニア性窒素センサー,硝酸性窒素センサー,グルコースセンサー,溶存酸素センサーの7種類で,UASBグラニュール汚泥,人口生物膜,回転円板生物膜に適用した.測定した基質濃度プロファイルは構築した生態学的構造モデルによるシミレーションとほぼ一致しており,生物膜やグラニュールなどのアグリゲート体の微生物生態系の機構が明らかになった.
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