Project/Area Number |
08650810
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
友田 陽 茨城大学, 工学部, 教授 (90007782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 徹也 茨城大学, 工学部, 助手 (70261740)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 力学物性 / 微細複合組織 / 強塑性加工 / 球状黒鉛鋳鉄 / 共折鋼 / 高窒素オーステナイト鋼 / スエージング / 微細化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、鉄系合金を対象に初期組織を適切に制御した複合組織材を用いて、圧延、スエージング、あるいは引き抜き加工を組み合わせ、マジックサイズをめざした組織の超微細化を試みることである。複合組織を利用するという点と塑性加工を組織形成の主役とする点に本研究の特徴がある。この考え方の普遍性を検討し資源的に乏しく貴重な金属資源の使用を極力避けて優れた特性を示す材料を製造する方法を示したいと考えた。 実際に実験した材料は(1)球状黒鉛鋳鉄(フェライト-微細球状黒鉛)、(2)亜共析から過共析までのFe-C合金系(フェライト-セメンタイト)、(3)Fe-Cr-Ni合金特殊熱処理材(フェライト-オーステナイト)および(4)高窒素オーステナイト系Fe-Cr-Mn合金であった。各々の試料について初期組織制御を行い、圧延、引張、およびスエージングによって塑性加工を与え、組織変化と特性の変化を調べた。 一般に脆くて塑性加工できないと思われる(1)の鋳鉄においても初期組織を調整することによりスエージング加工が可能で微細組織にすることができることを見いだした。(2)、(3)の試料についてもスエージングによる95%以上の強塑性加工を行った。加工硬化特性が単相材に比べて複合組織材では大きく、塑性変形により転位の蓄積が大きく、やがてはナノ組織へ向かう様相がみられる。(4)は単相鋼であるが塑性加工によって多量の転位を導入することができる。その原因が特異な窒素固溶強化に基づくものであることを透過電子顕微鏡により詳細に観察し明らかにした。現在鉄鋼材料で報告されている最高強度はフェライト系では(2)の組織で5.6GPa、オーステナイト系では(4)の3.6GPaであり、いずれも極細線で得られている。できるだけバルク材で高強度を得る可能性を探りながら、個々の材料において興味深い実験結果を得た。同時に全体を眺めての一般的傾向の把握につとめ我々の提案する複合微細組織がスーパーメタル創製において有望であるとの示唆を得た。今後はこの線に沿って具体的目標を設定した材料開発の研究を進める予定である。
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