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¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
近年,材料の高機能化,軽量化,複合化などにともない,板材成形の分野でも,これまで加工の対象としてこなかった材料への対応がせまられている.新材料に適した成形技術および成形条件を確立するためには,まず,成形中の材料の破断予測を的確に行えるようにすることが不可欠である.しかしながら,軽量化としてのアルミニウム合金板の使用だけを例にとっても,その成形限界予測は容易ではない.r値やn値と成形性の関係が不明な上に,延性の乏しいアルミニウム合金板の場合には,成形限界の目安となるくびれの発生なしに破断してしまうこともある.したがって,これまで板材の成形限界の理論的予測方法として主として用いられてきた,塑性不安定ないし分岐理論の適用が困難な場合も多い.このようなアルミニウム合金と他の材料で構成される積層複合板の成形では,なおさらのことである. そこで,本研究では,より基本である破壊という現象に着目することによって,成形限界予測の適用範囲を広げることを試みた.すなわち,板材成形の有限要素シミュレーションで計算された応力・ひずみ分布およびそれらの履歴から,大矢根の延性破壊条件式を用いて破壊発生の有無を予測する方法を提案した.種々のアルミニウム合金板,およびそれらと軟鋼板との組み合わせによる積層複合板の深絞り加工および張出し加工における成形限界予測に本方法を適用した.その結果,明瞭なくびれ発生前に破断するような延性の低い板材についても,また,種々の破壊形態を持つ積層複合板についても,成形限界を的確に予測できることを実験結果との比較から示した. 本方法は,再絞り加工,穴拡げ加工をはじめ種々の成形加工に,また,種々の板材に適用されることが期待されている.
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