嫌気代謝メタボリックエンジニアリングによる高水素生産大腸菌の開発
Project/Area Number |
08650936
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
早出 広司 東京農工大学, 工学部, 助教授 (10187883)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | メタボリックエンジニアリング / 水素生産 / 嫌気代謝 / 乳酸脱水素酵素 / ヒドロゲナーゼ / 大腸菌 |
Research Abstract |
本研究は大腸菌嫌気代謝系の分子生物学的知見をもとにメタボリックエンジニアリングにより高効率な水素生産用の代謝系を構築することにある。本研究では、水素生産速度の向上と水素生産収率の向上をめざして研究を進めた。 大腸菌水素生産系はピルビン酸より下流の代謝系に特徴がある。特に直接水素生産に関わっている酵素、水素発生型ヒドロゲナーゼ(Hyc)を含む複合酵素系formate hydrogenlyase(FHL)に着目し、水素生産速度の向上を試みた。即ちHycの発現を抑制しているhycAの変異株およびHycの構造遺伝子であるhycEを発現ベクターを用いて高発現鎖せ、水素発生におよぼす影響をみた。その結果、いずれの場合においてもHycの活性は野生型大腸菌の2倍以上であった。しかし、ギ酸からの水素発生速度は低濃度側(〜1mM)では両Hyc高発現型大腸菌において水素発生速度の向上か見られたが、高濃度側、ならびにグルコースからの水素発生速度は野生株と同様であった。従って、今後の水素発生速度向上にはFHLより上流の代謝系を強化する必要があることが明かとなった。 一方、大腸菌におけるグルコースからの水素生産においてさまざまな代謝の分岐点がある。そこで、水素生産と競合する代謝系を分断することで、グルコースからの水素発生収率の向上を試みた。ピルビン酸からの水素発生系への第一段階の酵素であるpyruvate-formate lyase(PFL)との競合系である発酵型乳酸脱水素酵素LDHAに着目し、この酵素の欠失株をP1トランスダクションにより構築した。野生株ではピルビン酸より下流で代謝されるグルコースの約40%がLDHAにより乳酸に変換される。本変異株はLDHAが欠失させたことにより、グルコースからの水素発生収率が約3倍まで向上させることに成功した。今後、生成される水素の取り込み系である取り込み型ヒドロゲナーゼ、HyaおよびHybの両酵素の遺伝子を欠失鎖せることにより、対グルコース水素発生収率はさらに向上できると期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)