電子移動反応を利用したクラウンエーテル型蛍光・吸光試薬の開発
Project/Area Number |
08650957
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
工業分析化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 博 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00117194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 登 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00158461)
諸角 達也 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50271713)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | アルカリ土類金属 / 希土類金属 / 錯形成 / 酸化還元電位 / クラウンエーテル / 蛍光スペクトル |
Research Abstract |
本研究では、アントラキノンを電子受容性官能基として用いた。これをクラウンエーテル類似体であるポリエーテル鎖の両端に導入した化合物を新たに合成し、これについて酸化還元挙動をCV法により測定し、金属イオン存在による影響を検討した。 まず、ポリオキシエチレンの両端にアミノ基をもつ化合物(市販品)から出発して、これにアントラキノン2-カルボン酸をアミド結合を介して2組結合させた化合物(1)を合成した。この化合物についてアセトニトリル中での酸化還元挙動をCV法によって検討した。 金属塩の存在しない時には、1は通常のアントラキノンのCVパターンを示したが、アルカリ土類金属(Ca^<2+>など)が存在すると、より正側に新たな還元波が出現することを見い出した。これは、金属イオンとの錯形成により、2つのアントラキノン部位が近づき、このπ軸道間の相互作用(電荷移動相互作用)により空軸道が分裂して、その結果還元されやすくなったものと結論された。 また、アントラキノンの代わりにキサンテンを蛍光官能基として導入した化合物も合成し、希土類金属イオンとの錯形成を検討した。その結果、テルビウム(III)との強い錯形成が見られた。一方、この錯体のキサンテン部位を光励起すると、キサンテンからの発光は全く見られず、テルビウムからの強い発光が見られた。これは、キサンテンの励起3重項からテルビウム(III)へ効率よく励起エネルギーが移動してテルビウムイオンが発光したものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)