Project/Area Number |
08650973
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小村 照寿 金沢大学, 工学部, 教授 (00019746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 孝浩 金沢大学, 工学部, 助手 (90272947)
高橋 光信 金沢大学, 工学部, 助教授 (00135047)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 導電性高分子 / ポリピロール / 多孔性電極 / 電荷輸送 / 電気化学インピーダンス法 |
Research Abstract |
交流応答法によるポリピロール膜電極の研究の結果は次のようにまとめられる。 1.複素平面インピーダンス図に見られる高周波数域の電荷移動過程の軌跡は、膜が不均質なために緩和時間に分布があるか、緩和時間の異なる種々の過程が重なっているために正確な半円ではなくて潰れた円弧を描く。また低周波数領域での応答は、薄膜に特有な電荷の飽和から予想されるような純容量性のものにはならない。この偏差は、溶液への電荷の漏れがある時に生ずる他に、膜内の拡散が一様ではないことによると推定される。 2.高分子の荷電サイトの生成は金属/膜界面で起こり、この電荷移動過程の抵抗は高分子が還元状態になると急速に増大し、高分子膜の電子伝導率の変化と明確に関連づけられる。 3.低周波数領域での周波数分散挙動は膜中での物質輸送のインピーダンスに対して一定位相角要素を付け加えることにより記述される。この要素中に現れる非整数の指数αは電極の表面粗さを反映している。一定位相角要素はフラクタル次元に直接関係づけられるので、フラクタル幾何学の概念を用いて分率指数αを膜の微視的な不規則性の尺度として使用することができる。 4.膜中での電荷キャリアの拡散係数は高分子が酸化されると増加する。また低周波限界容量は高分子の酸化と共に増加して極限値に達する。これらの挙動は、電荷の輸送が電子的ホールとアニオンの拡散と電気泳動により行われ、ホール間には強い相互作用が働くことを示している。
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