Project/Area Number |
08650986
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 順一 北海道大学, 工学部, 助教授 (40110259)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 複合ペロブスカイト / 酸化ストロンチウム / 五酸化タンタル / 秩序構造 / 誘電的性質 |
Research Abstract |
一般式AA'BB'O_3で表される複合ペロベスカイトでは、六配位のBサイトを電荷やイオン半径の異なる多くの陽イオンが占有できるため、イオン置換に伴う物性制御の点から非常に興味深い物質である。本研究においては、A(Sr_<1/3>Ta_<2/3>)O_3の組成式で表される複合ペロブスカイトに対して、まずAサイトイオン種としてSr、Sr_<0.5>Ba_<0.5>およびBaと変えたときの秩序構造変化を明らかにし、さらに焼結体試料の誘電特性を調べた。 1500℃で焼成後の秩序構造としては、Aサイトをイオン半径の大きなBaのみとした場合には、Bサイトのイオン比率(Sr:Ta=1:2)通りに六方配列の(1:2)型秩序構造となった。しかしながら、A=SrおよびSr_<0.5>Ba_<0.5>では(1:2)型をとらずに面心立方配列の(1:1)型に秩序化することがわかった。これまでにも組成比率と異なる秩序構造をとるペロブスカイト化合物は知られているが、その場合に示された秩序化を本系に適応すると、単位格子の体対角線方向にTa-(Sr,Ta)-Ta-(Sr,Ta)-と積み重なった構造が考えられる。しかしながら近年、Bサイトが(1:2)のイオン比率を有するPbを含む強誘電体において生成した(1:1)型秩序構造では、微小領域においてはそのイオン配列は均一でないことがTEM観察から見出されている。すなわち、B-B'-B-B'-と(1:1)に秩序化した領域とランダムなイオン比率ながらも(1:1)に秩序化した領域とが混在した状態があると報告されている。したがって、今後は本複合ペロブスカイト系についてもTEM観察によりいずれの秩序構造をとっているかを明らかにすることが必要である。 各試料の誘電的性質を調べたところ、(1:1)型秩序構造を有する複合ペロブスカイトでは、誘電率およびその温度係数ともBサイトのSr/Ta比率の増大と共に減少することが明らかとなった。
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