酸化物ガラスおよびその融体における局所構造とフラジリティの相関
Project/Area Number |
08650993
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
無機工業化学
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50137238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学部, 助手 (90244657)
|
Project Period (FY) |
1996
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | フラジリティ / 粘性 / 酸化物ガラス / 酸化物融体 / 局所構造 / ガラス転移 / 混合効果 / 流動単位 |
Research Abstract |
本研究では、実用上重要な種々の酸化物系ニューガラスに対し、その融液から過冷却液体に至る幅広い粘度域での粘性係数の温度依存性を測定し、系や組成とFragilityの関係を明らかにした。一方で、様々な回析および分光学的手段を用いてそれぞれのガラスおよび融液の構造解析を行い、局所構造の組成依存性を検討した。本年度得られた成果は以下の通りである。 混合アニオン系として作製したSnX_2-P_2O_5(X=F,Cl)系ガラスでは、SnX_2含量の少ない組成ではEη/TgからみたFragilityは一定であるが、SnX_2含量の多い組成では、SnX_2含量の増加に伴ってFragilityは増加した。このとき、Fragilityが一定であったガラスでは局所構造が類似しているが、SnX_2含量の多い組成ではFragilityが大きいものほど、非架橋酸素の割合が多いピロリン酸グループやP-FやSn-Cl結合が多く存在することが確認された。このことから、イオン結合性の増加がFragilityの増加に寄与していると考えられる。 混合アルカリ系として作製したLi_2O-Na_2O-B_2O_3系ガラスでは、△CpからみたFragilityはほぼ一定であるが、Eη/Tgの観点からみるとアルカリを混合することでStrongになっていることが明らかとなった。この系の局所構造はアルカリ混合比によって変化せず、△CpからみたFragilityの傾向と一致した。 混合フォーマ-系として作製したNa_2O-SiO_2-B_2O_3系およびAgI-Ag_2MoO_4-Ag_2PO_<3.5>系ガラスではガラスフォーマ-を混合することによって△CpとEη/Tgの両方の観点からみてStrongになることが明らかになった。また、混合アルカリ系とは異なり、フォーマ-を混合することによって局所構造が大きく変化しており、△CpからみたFragilityと局所構造の間には密接な関係があることがわかった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)