パラジウム触媒による有機変換反応の選択性におよぼす複核反応場効果
Project/Area Number |
08651031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒沢 英夫 大阪大学, 工学部, 教授 (40029343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国安 均 大阪大学, 工学部, 助手 (00252594)
垣内 喜代三 大阪大学, ベンチャービジネスラボラトリー, 助教授 (60152592)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | レドックストランスメタル化 / アリル錯体 / プロパルギル錯体 |
Research Abstract |
合成化学で中心的役割を果たすパラジウム触媒による有機変換について、これまで提案された反応機構は、単核のパラジウム錯体の酸化状態や配位環境の循環的変化を仮定することで成り立っている。本研究では、あらたに複数個のパラジウム原子が関与する触媒鍵反応を見出すとともに、複核の有機パラジウム錯体を実際に合成し、構造、性質を調べて触媒反応における複核反応場の作用機構を明らかにすることを目的とする。 1)π-アリルおよびπ-プロパルギル錯体の金属誘導異性化反応 単核のπ-アリルパラジウムカチオン錯体に、ゼロ価パラジウムまたはゼロ価白金錯体を反応させると、アリル基が攻撃する金属種に移動するいわゆるレドックストランスメタル化が生起することが判明した。さらに重要なことは、金属による攻撃はアリル基のアンチ側から起こり、トランスメタル化の結果アリル炭素の立体化学の反転がひき起こされることが判明した。これは触媒反応の立体化学に重要な影響を及ぼすメカニズムを提供する。同様にプロパルギル白金錯体に対するゼロ価白金の攻撃でも、結合位置異性化を伴うレドックストランスメタル化が起こり、結果としてアレニル白金への異性化がひきおこされた。 2)μ-アリルおよびμ-プロパルギル錯体の合成と構造 上記レドックストランスメタル化反応の条件を少し変化させて配位子の量比を少なくすると、中間体としてのPd-PdあるいはPd-Pt結合上にアリル基やプロパルギル基が架橋配位した2核錯体を多数合成することができた。これらのいくつかの構造をX線解析で決定した。また溶液中における錯体安定性に及ぼす配位子の電子効果の検討、求電子剤との反応解析をも考慮して、これらの2核錯体における特異な逆供与相互作用を明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)