Project/Area Number |
08651039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
太田 哲男 同志社大学, 工学部, 助教授 (50213731)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 光学活性配位子 / 不斉触媒 / 不斉水素移動反応 / 不斉クロスカップリング / モノホスフィンモノイリド |
Research Abstract |
1.モノホスフィンモノイリド型配位子並びに金属錯体の合成と触媒反応への応用 ビスホスフィン配位子TolBINAPをブロモ酢酸エステル、ブロモアセトニトリルと反応させることによりモノホスホニウム塩が選択的に得られ、それをメチルリチウムで処理すると、対応する光学活性モノホスフィンモノイリド(YLIPHOS)が得られた。次にYLIPHOSを配位子としたRu、Rh、Pdの錯体合成を行った。本YLIPHOSはRh、Pdと8員環キレート錯体を形成する。このとき、イリド炭素が中心金属に配位した金属-イリド炭素結合が形成されており、その配位力は、置換基や中心金属によって影響を受ける。また、この金属-イリド炭素結合は、配位と解離の平衡状態にあると考えることができる。ところが、Ru金属を用いた場合、YLIPHOSは単座の配位子として金属に配位していると思われる。得られた錯体の触媒活性を検討したところ、Pdの錯体がGrignard試薬とブロモベンゼンやアリルフェニルエーテルとのクロスカップリング反応の触媒として有効であり、光学収率6.5%並びに17%で生成物が得られた。この結果は、立体選択性は若干低いものの、本錯体が不斉触媒として機能することを示している。 2.アミノ酸を配位子に持つ新規不斉触媒の開発 アミノ酸は天然由来の安価なキラル化合物であるが、これまで後周期遷移金属錯体を用いる不斉触媒反応の配位子として有用な反応は見出されていない。本研究で、プロリンをルテニウムに配位させることにより、アセトフェノンがイソプロピルアルコールからの不斉水素移動反応に活性な触媒を生成することがわかった。室温24時間の反応で90%を越える収率と、79%の不斉収率で本反応が進行する。
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