リグノセルロースの酸化による新規木材接着性物質の合成法の開発
Project/Area Number |
08660213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
林産学
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
岡本 忠 近畿大学, 農学部, 教授 (50027067)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 隆 近畿大学, 農学部, 助手 (00278730)
高谷 政広 近畿大学, 農学部, 講師 (60154788)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | リグニン / 酸化 / 金属錯体触媒 / 酵素酸化 |
Research Abstract |
リグニン有効利用法の一つとして熱硬化性樹脂のフェノール代替用途が注目されて久しいが、リグニンの低反応性のため良好な結果は得られていない。本研究では、リグニン構造中に存在する芳香族メトキシル基の水酸基への変換による反応性向上に着想し、基礎研究として金属錯体触媒によるアニソールの酸化的O-脱メチル化反応について、最適条件および反応機構を検討した。触媒は、O-脱メチル化を行う生物酸化系を模してヘム鉄類似の金属錯体を、また酸化剤は、分子状酸素-還元剤系および過酸化物系を用いた。 酸素系では、汎用溶媒中で反応が進まなかったが、ピリジンの存在下触媒反応が進行し,ピリジン溶媒対中で最も高い収率が得られた。還元剤にはヒドロキノン類を用いたが、反応性は還元力に比例した。鉄、マンガン、クロムの三価金属錯体触媒中では鉄錯体が最も優れた活性を示し、最高約70回の触媒効率が得られた。 過酸化物系でもリジン溶媒中で最も反応が促進されが、ピリジン以外の溶媒を用いたときも反応は観察された。ピリジンは促進剤として働くと考えられる。過酸化物はt-ブチルヒドロペルオキシドを用いたとき最も反応がよく進んだ。ピリジン溶媒中で鉄錯体触媒およびt-ブチルヒドロペルオキシドを用いて反応を行った場合900回以上の触媒効率が観察された。 反応の機構は、(a)メトキシル基のα位の水素引き抜き、(b)一電子移動、(c)メトキシル基のipso置換が考えられる。しかし速度同位体効果から律速段階がC-H開裂を含むことが明かにされ、(c)の機構は否定された。また、塩基性物質による反応促進が見られなかったため(b)の機構も除外され、(a)の機構が提案される。酸素系の結果は、既に速報紙に掲載ずみであり、過酸化物系は投稿準備中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)