外被蛋白質遺伝子に基づく魚類病原ノダウイルスの分子進化学的解析
Project/Area Number |
08660230
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西澤 豊彦 広島大学, 生物生産学部, 助手 (10222184)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ノダウイルス / 外被タンパクシ質遺伝子 / 分子進化 |
Research Abstract |
魚類ノダウイルスはウイルス性神経壊死症の原因ウイルスで、種苗生産過程の海産仔稚魚に壊滅的な被害をもたらすことから産業上問題となっている。本ウイルスは国内外合わせて16種以上の海産仔稚魚から検出されており、その外被蛋白質遺伝子には長さ約250塩基の変化に富んだ領域(可変領域)が存在する。本研究では、異なる地域、年度あるいは魚種から検出された魚類ノダウイルス25株の可変領域の塩基配列を決定し、これを基に魚類ノダウイルス株間の分子進化学的関係について解析をおこない以下のことを明らかにした。1)魚類ノダウイルス国内株は分子進化学的に独立したSJ、TP、BF、RG系統群の4系統群に分けられ、国外株は何れもRG系統群と密接に関わっていた。2)各系統群内における塩基配列およびアミノ酸配列の類似性は何れも95%以上で、少なくとも各系統群内の株は同一ウイルスであると考えられた。3)解析した遺伝子領域の塩基配列を算出した魚類ノダウイルスの分子進化速度は2.6×10^<-3>/座位/年で、これにより魚類ノダウイルスの4系統群は100〜150年前に分岐時期したことが示唆された。この結果は、魚類ノダウイルスが異なる宿主間での感染を繰り返しながら宿主範囲を広げてきたことを示している。4)各系統群内における細かな分岐はここ10年の間に起こったと推察され、海産魚の種苗の移動が頻繁に行われるようになった時期に一致することから、魚類ノダウイルスの伝播に人為的要因が関与したことが窺われる。5)作成した分子系統樹から、魚類ノダウイルスの国内伝播にはヒラメが関与していた可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)