Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
1.ビテロゲニン分解酵素の検出法の確立: 卵黄形成期のアメマスを用い,ビテロゲニン分解酵素の検出法を確立した。精製ビテロゲニンをビオチン標識し,卵水溶性画分(WSF)を加えた後,37℃,pH5.2で16時間インキュベートした。分解産物をゲル濾過およびSDS-PAGEに供し,ペルオキシターゼ標識アジビン,または抗リポビテリン血清および抗β′-コンポーネント血清によるWestern blottingを行った。その結果,精製ビテロゲニンは卵黄蛋白であるリポビテリンおよびβ′-コンポーネントのサブユニットと分子量および抗原性を同じくするポリペプタイドに分解された。 2.卵抽出液の分画および分解酵素の性状解析: 卵黄形成途上のサクラマス卵を材料とし,卵抽出液を水沈殿法および硫安塩析,さらにDE-52,ハイドロキシルアパタイト,フェニルスーパーロース,モノQ,スーパーロース12によるカラムクロマトグラフィーに順次供し,精製ビテロゲニン分解酵素を得た。各分画のビテロゲニン分解酵素の検索は上述のSDS-PAGEによる検出法を用いて行った。精製酵素をSDS-PAGEに供した結果,42kDaの位置に一本のバンドが観察され,このバンドは抗ヒトカテプシンDに反応した。さらにWSFに蛋白分解酵素阻害剤を添加し,ビテロゲニン分解活性に対する阻害性を観察した結果,この活性はペプスタチンAによってのみ特異的に阻害された。 以上のことより,サケ科魚類の卵黄形成期の卵中にはカテプシンD様酵素が存在し,ビテロゲニンの分子解裂に関与することが強く示唆された。
|