Project/Area Number |
08670074
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本間 さと 北海道大学, 医学部, 助教授 (20142713)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | サーカディアンリズム / 視交叉上核 / バゾプレッシン / VIP / 細胞培養 / 振動共役 |
Research Abstract |
ラット視交叉上核分散培養系を用い、バゾプレッシン(AVP)とVIPの2種のペプチドリズム指標に、個々の細胞振動発生、および、振動共役によるサーカディアンリズム出力のメカニズムを検討した。ラット視交叉上核細胞をトリプシン処理にて単離し、高グルコースまたは低グルコースの無血清培地、5%または10%の濃度で牛胎児血清(FCS)を含む培地で培養した。その結果、無血清培地での培養では、グリア細胞が星形に分化して突起を伸ばし、培養1-2週で、延長した突起がディッシュ全体に網目構造を作った。培養液中のAVPとVIPは、培養1日目から同一位相の同期したリズムを示し、リズムは1カ月以上持続した。分裂阻止剤投与によるグリア分裂抑制も、両ペプチドリズムに有意の変化を生じなかった。一方、FCS含有培地による培養では、未熟なグリア細胞が敷石状にディッシュ表面を被った。培溶液中のVIPは量が著しく低下したもののサーカディアンリズムを示したが、AVPはリズムの消失する例が多かった。また、0.15%と0.45%の異なるグルコース濃度でペプチドリズムを比較したところ、低グルコースでは、培養液中ペプチドの著しい低下とリズム消失が観察された。 以上の結果、培地条件により、同一ペプチド細胞間の同期が消失し、ペプチドリズムが消失すること、グルコース量が、ペプチドの放出量やペプチド細胞間のリズム同期に関与していることが明らかとなった。血清含有培地では、各種成長因子や担体蛋白に富み、グリア細胞が互いに接触しギャップジャンクションを介する連絡がより容易に行えると推測されるが、リズム同期はむしろ無血清培地でより維持された。無血清培地では、分化したグリアが多数受容体を発現させている。振動同期には、ギャップジャンクションや電気的同期よりもむしろ受容体を介する液性連絡の方が重要であると考えられる。
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