Project/Area Number |
08670116
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 隆司 九州大学, 医学部, 助教授 (30232573)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 機械刺激 / ムスカリン受容体 / 陽イオンチャネル / 消化管運動 / 平滑筋 |
Research Abstract |
モルモット回腸縦走筋から単離した平滑筋細胞に全細胞型パッチ固定法を適用し、受容体作動性陽イオン電流(Icat)(ムスカリン受容体を介して活性化される)を記録しその機械刺激感受性を調べた。機械刺激としては主に低浸透圧負荷による細胞膨張を利用し、その程度を定量化しIcatとの相関を調べる為ビデオカメラによる細胞径(細胞断面積)の継続的モニターと電流の同時計測を行った。以下に結果を要約する。 (1)Icatは細胞膨張の時間経過およびその程度(ビデオカメラで細胞径をモニター)に非常に良く一致した可逆的な増加を示した。例えば-50m0sm低浸透圧負荷時(細胞径の平均増加率2%)に約50%の電流振幅増加が見られた。しかし同等の低浸透圧負荷によって他の膜電流成分(電位依存性Ca電流、電位およびCa依存性K電流)にはわずかな変化しかみられなかった。 (2)Icatの細胞膨張に伴う増大は細胞を実験槽底に接着させておき灌流速度を変化させて細胞膜にずり応力を機械刺激として加えた場合にも観察された。 (3)機械刺激によるIcatの増大作用は細胞内遊離Ca濃度の変化や受容体の作用薬に対する感受性の変化とは無関係に生じていることが、高濃度のCaキレート剤BAPTAや受容体をバイパスしてG蛋白質を直接活性化しIcatを誘発する作用のあるGTPrsの細胞内灌流によって明らかになった。 (4)生物物理的手法を用いた実験の結果の結果から、機械刺激のIcat増大作用は主にIcatを形成する陽イオンチャネルのgatingが変化することによって生じていることが明らかになった。 (5)同様の性質はウサギ門脈平滑筋のα_1受容体作動性陽イオンチャネルにも見られることが他の実験から明らかになった。 以上の結果から消化管等の自発運動を有する平滑筋組織には受容体刺激に伴う膜興奮性の増大が機械刺激によって更に増強されるという正のフィードバックメカニズムが存在していることが示唆された。
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