平滑筋ミオシン結合蛋白質のミオシン線維形成と安定化における機能の解析
Project/Area Number |
08670135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡垣 壮 群馬大学, 医学部, 講師 (80185412)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | 平滑筋 / ミオシン / リン酸化 / 筋康線維 |
Research Abstract |
ニワトリ砂嚢平滑筋の粗ミオシン抽出液よりミオシン重合を促進する蛋白質の精製をおこなった。非リン酸化ミオシンと混合してミオシン線維を形成する活性を指標に精製をおこない、分子量38k、32k、31k、28kDaの4種類の蛋白質を単離した。これらの蛋白質はそれぞれミオシンの重合を促進する活性があったが、本年度は主として38k蛋白質の性質を解析した。非リン酸ミオシンに精製38k蛋白質を加えると、ミオシン線維が形成された。電子顕微鏡、光学顕微鏡で形成されたミオシン線維の形状を観察するリン酸化ミオシンの場合とほぼ同程度の太さの繊維を形成した。遠心法でミオシン線維を沈殿させて重合の定量をほおこなった結果、この蛋白質により非リン酸化ミオシンの重合はリン酸化ミオシンと同程度のレベルまで上昇した。ミオシン重合の促進はミオシンに対しモル比で3倍程度の濃度で飽和し、そのストイキオメトリーは1:1であった。38k蛋白質はリン酸化ミオシンに対しても、非リン酸化ミオシンと同程度の結合能を示した。従って生体内では収縮・弛緩の時期にかかわらず常にミオシン線維と結合していると考えられる。ところでこの蛋白質の部分アミノ酸配列を決定した結果、ヒト培養細胞やほ乳類の種々の組織から得られているp32蛋白質ときわめて高いホモロジーを持つことがわかった。そこでヒト培養細胞から得られたp32のcDNAを大腸菌で発現させ精製した。大腸菌で発現したp32はミオシンと混合すると38k蛋白質と同様ミオシンの重合を促進した。さらにこれをウサギに免疫し抗体を作製した。ニワトリ38k蛋白質はこの抗体と反応した。以上の結果より38kはニワトリのp32であると考えられる。現在この蛋白質のクローニングをおこなっているところである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)